電通ビジネスデザインスクエア | 「広告」ではなく、企業の新しい未来を創造する

CHALLENGE

PROJECT

電通ビジネスデザインスクエア

「広告」ではなく、企業の新しい未来を創造する

本質的課題の解決に向けて、ビジネスのあらゆるシーンを人起点で捉え、めざすべき北極星を探し、真のビジネスパートナーとして、受注型ではなく共創型でプロジェクトを推進する。人が人らしく生きるために、アイデアとクリエイティビティで、未来を描き、変革に寄り添う。それが、電通ビジネスデザインスクエア。クライアントの課題を、広告以外の手法で解決することを得意とする彼らは、日々どのようにしてクライアント経営層と向き合っているのか。同じチームで働くことが多い、BXディレクターの山原、BXプロデューサーの田幸、UXデザイナー/デザインエンジニアの横尾、ストラテジック・プランナーの佐々木に話を聞いた。

未来を描き、
変革に寄り添う。

INTERVIEW

  • 山原 新悟
    山原 新悟
    BUSINESS DESIGN
  • 田幸 佑一朗
    田幸 佑一朗
    BUSINESS DESIGN
  • 横尾 俊輔
    横尾 俊輔
    BUSINESS DESIGN
  • 佐々木 学
    佐々木 学
    BUSINESS DESIGN
INTERVIEW /01

一緒に、未来つくりませんか?

━━ ビジネスデザインスクエア(以下、BDS)について教えてください。

山原山原

カテゴリとしては「BX(ビジネストランスフォーメーション)」と呼ばれる領域に取り組む組織として、4年前につくられました。電通の中で、従来の「広告」ではないソリューションをクライアントに提供しています。具体的には、クライアントのビジネスに関わる「事業創出」と「事業変革」がBDSの主なドメインです。

━━ 電通が「事業創出」と「事業変革」に関わるのはなぜでしょうか?

山原山原

従来の広告会社は、クライアントの事業に対して、それを広告することで課題を解決してきました。しかし、今の時代、それだけで解決できる課題ばかりではないことも事実です。本質的課題解決のためには、事業そのものを作り出さなきゃいけないし、事業そのものを作り変えていく必要がある。それが「事業創出」です。そして、そこに向かうために、単に新しい事業をつくればいいのではなく、新しい事業がつくれるように企業そのものを変えていく必要がある。それが「事業変革」です。この2つのことを達成するために必要なことを、クライアントの宣伝部だけではなく、経営者や事業部長といった方々に、ソリューションとして提供するのが私たちBDSの特徴です。

━━ みなさんはBDSのチームの中でどういう役割をそれぞれ担っているのでしょうか?

田幸田幸

私はBDSの中でBXプロデューサーとして、プロジェクトのスタートにおける「プロジェクトデザイン」から取り組んでいます。というのも、課題が明確な状態でBDSに仕事が依頼されることはほとんどありません。経営者の中にある「ぼんやりとした課題感」をクライアントと議論しながら引き出し、信頼関係を築きながら、課題をクリアにすることから出発します。そして、それが可視化されてきたら、「こんなこと一緒に考えてみませんか?」とプロジェクトを提案させていただくんです。いざプロジェクトが始まると、クライアントの期待値を上回るアウトプットをきちんと出し続けるように、プロジェクトマネジメントしていくのも大事な仕事です。

横尾横尾

UXデザイナーとして、サービス全体のデザインを描くのが私の役割ですね。例えば、事業創造の一貫として、あたらしい店舗を作ることになった時に、店舗の空間設計の良し悪しだけで経営者と話が進むことは決してありません。なぜあたらしい店舗が必要なのか。そもそも事業における店舗の役割は何なのか。カスタマージャーニーはどうあるべきなのか。そういったコアな部分から設計を始め、どうすれば世の中にインパクトをもって出せるかを考え、最終的には具体的なCAD(図面)やパースイメージ、アプリのプロトタイプなど、具体的に可視化して見せるという部分まで携わります。

佐々木佐々木

私は戦略領域のプランニングや、データを活用したビジネスの分析をすることが多いですね。課題がクリアになり、ソリューションの断片が見えた時に、事業全体の大きな戦略、大きなストーリーを経営者に提示する。経営者が抱える、答えはないけどぼんやりとした欲望を、データを活用してリアリティをもって可視化することに日々取り組んでいます。

  • プロトタイプの可視化とディスカッションの様子

INTERVIEW /02

クライアントと、
“立場”を超えたワンチームへ。

━━ みなさんのお仕事は、いわゆるコンサルティングとは違うのでしょうか?

山原山原

クライアントの事業と向き合い、経営の課題を考えるところは似ています。一方で、「こうすべき」という分析や提案で終わることなく、クライアントとワンチームになることが私たちの特徴かもしれません。セッションをしながら、「どう変わりたいのか」「どんな価値を生み出すべきか」を引き出し、カタチにしていく、という仕事のスタイルを大切にしています。

━━ どのようにして、クライアントとワンチームになるのでしょうか?

山原山原

クライアントと電通というお互いの立場を超え、全員が一枚岩になってプロジェクトを進めるのは、決して簡単なことではないです。真面目に堅くアプローチしても、相手の心はついてこない(笑)だからこそ、意思を持って楽しくやっていけるっていう空気をつくることが一番重要だと思っていて。価値創造のしやすい、良い雰囲気づくりを心がけています。

━━ 例えば?

田幸田幸

あくまで一例ですが、「何を壊すべきか」という議論から入ることがあります。例えば、企業のこんな文化が嫌だとか、こんな慣習が不要だとか、すベてぶっちゃけて、社内で失敗してきたこと、だからこそ今回は失敗したくない部分などを、徹底的に話す。そこに初日の大半の時間を使ったりする。腹を割って、普段できない話から始めることで、共通の目線ができたりします。

佐々木佐々木

会議にはいろんな人が参加しますし、目線合わせは大事ですね。ある案件では、3〜4ヶ月の間、週2回、現場の社員の方と丸1日セッションすることを続けました。クレド(企業の価値観・行動指針)を “ピクチャーオブフューチャー(未来構想図)”という図にまとめ上げ、社内に流通させて会社をアップデートしていくことを進めていきました。人の心を動かすと言ってきた電通だからこそ、どうやってみんなを本気にさせて、巻き込んでいくかを考え抜きます。

山原山原

我々の仕事は、自分たちが考えていることに値段がつきます。依頼されていたことだけに応えるのではダメで、常に相手の期待値を超えていかないと、仕事はもらえない。クライアントからは「うちの会社をよろしくお願いします」とか、クライアント社内の人材をレベルアップさせてほしいとも言われます。大きなものを託されているので、気は抜けません。

INTERVIEW /03

経営者と仕事をするのは、面白い。

━━ このチームで実際に取り組まれた事例をぜひ教えてください。

山原山原

例えば、日本ハムさんとの仕事でいうと、日本ハムは、もともと持っている技術もあるし、売れ筋商品もたくさんありますよね。けれど、これから人口が減っていく一方で、このまま同じ商品をつくっていくだけでいいのかという課題を抱えていたんです。そこで、クライアントのコアに“たんぱく質”を据え直すとどうなるのかを事業部長たちと一緒に考えました。肉・魚・乳製品、と卵以外のタンパク質を全部扱っているのが日本ハムグループの強みですよね。なので、そのコアはタンパク質である、と考えるとあらゆる事業創出の北極星になるんじゃないか、と思ったんです。

横尾横尾

「ハム」という商品を超え、タンパク質でどんな価値をつくれるか。タンパク質にはどんな可能性があるのか。生活者はどんな製品だったら喜ぶか。そんなことをセッションしながら、従来の製品にはない商品を考えてみたんです。具体的なことはお話しできませんが、日本ハムを「タンパク質の会社である」と新しく定義づけしたことで、その先にどんな世界があるか、どんな価値を世の中に提供できるかという新しいビジョンが見えてきました。

━━ 経営者の方と向き合うとき、どのようなことを心がけていますか?

山原山原

もちろん、簡単なことではないです。でも、全く新しいことをやっているかというとそうではないと思っていて。本来、電通で働く人は、誰もが経営者と向き合うことができるDNAを持っていると思います。というのも、もともと電通では、肩書きに関係なく、たとえ若手であっても、クライアントの幹部や役員と話をしながらビジネスをつくるカルチャーがあったんです。でも、時代の変化とともに、クライアント社内の部署が、細分化されていったことで、現場の人たちとのやりとりが中心となり、クライアント経営層と会話する機会がなくなってしまっただけなんですよ。僕は、それはもったいないことだと考えています。経営者の人たちは、とても本質的なことを考えていて視座も高いし、そういう人たちと仕事をするのはとてもおもしろいから。もちろん、彼らの考えている深さに追いつくためには、自分自身が進化しなきゃいけない。だけど、同じ目線で話ができるなら、経営者だからといって萎縮する必要はないし、どんな肩書きだろうが全然関係ないと思っています。むしろ、経営者の人たちは、自分が知らないことについては前のめりで話を聞いてくれる。電通で働く人は、肩書きにとらわれることなく、クライアントの経営層と対峙し、その対話の中でソリューションを作っていく役割であるべきなんじゃないかなと思っています。

INTERVIEW /04

完璧なプレゼンより、意味のある対話を。

━━ 対話の中でビジネスをつくっていくスタイルが印象的ですね。

横尾横尾

BDSで働きはじめてから、がちがちに事前準備をして提案することがなくなりましたね。効率的になって、働き方も変わったような…。

山原山原

即興的な提案スタイルだよね。ある程度の準備はするけど、クライアントとその場でディスカッションする方が大事。

田幸田幸

みんな瞬発力がすごいんですよ(笑)僕は前の部署の時、そこに刺激をもらい、一緒に仕事をつくりたいと思ってBDSに来たんです。

━━ 事前準備をしないプレゼン、といいますと。

山原山原

僕はよくお笑いに例えるんですけど、漫才のように、事前にお客さんのいないところでどうすればお客さんが喜んでもらえるかを考えたものをプレゼンする提案型と、一方で、トーク番組の司会のように、どんなテーマがきても、その場で面白いところを引き出して即興的に笑いをつくっていくスタイルの2通りのアプローチがあるとして、僕たちの仕事の仕方は後者ですね。というのも、僕らがクライアントの事業についてどれだけたくさん調べて考えたところで、クライアントの方が詳しいのは当たり前。そこには何の価値も生まれません。だから、クライアントに対して新規事業をゼロから提案するより、対話の中で「生活者にとってどんな価値になりうるか」という視点で事業創出の可能性を提示していく方が、お互いの役割としてより大きな価値が紡がれていく。重要なのは、クライアントの話を引き出すこと。それがチームのいい空気をつくり、クライアントの本質的課題を解決するきっかけを見つけ、新しい未来をつくっていくことにつながっていくのだと思います。