電通は、名刺の裏面が100色で示されているように、多様な人がそれぞれの個性を発揮して働く社風です。今後は、さらに多様性が求められると思いますし、それを一人ひとりが受容していく力も必要になると思います。そして、先駆者としてのリーダーシップがさらに必要になると考えています。ここで言うリーダーとは、先頭を走るとか、周りを巻き込むといったような力技のことだけではありません。多くを語るわけではないけれど、自然にみんなが力を発揮し、みんながまとまる、そんな力があるとか、さまざまなリーダーの形があります。その人なりの方法で周りにいい影響を与え、いい方向に仕事を導く人こそ、リーダーであり「電通人」だと思います。電通には、工場もありませんし、持っている特許も多くはありません。だから、電通の最大の資産は「人」で、人の成長こそが会社の成長につながるのだと思っています。社員には伸びしろがあり、その可能性を解放できると信じています。会社にいることの醍醐味(だいごみ)は、仲間と一緒に、自分ひとりではできないことをやれることにあるので、多様な関わり方で、もっとお互いを成長させ合うことのできる職場環境をつくって、共に未来を切り拓いていきたいと考えています。
「若手だから」ということで特別に何かを期待する、ということはありません。年齢や社歴に関係なくアイデアが求められ、常に成長するための環境があるのが電通の良さですから。最新の調査でも、「働きがいのある企業ランキング
社長になって感じたことは、やはり顧客をはじめとした外部の皆さんからの期待の高さです。電通の力で、日本にもっと活気やにぎわいをつくってほしいという期待が常にあります。電通がIGPという方向に進み、ビジネス領域を拡大していることも知られていますが、一方でまだ「広告の巨人」としてのイメージが強いのも事実です。だからこそ、もっと私たちの力を知っていただく努力をしなければなりませんし、電通の広告会社としてのイメージを超えるためのブランディングやマーケティングが必要です。私は電通人の能力を信じているので、社員の可能性を解放すれば、もっと社会に貢献できる会社になれると思っています。社員の働き方やウェルビーイングを大切にしながら、成長できる環境をつくっていきたいです。
とにかく、電通には「人が成長できる」環境があり、これには自信があります。広告だけをやっていた時代よりも、事業領域が広がり、社会や顧客の課題がますます複雑になっている今だからこそ、人それぞれの成長のチャンスが広がっています。マニュアル化された環境で成長するのではなく、自らがリーダーとなって仲間と一緒に新しい領域に踏み出し、さまざまなステークホルダーと共に社会に前向きなインパクトを与えていきたいと考える皆さんと、ぜひお会いしたいと思います。