
※本記事は、
2025年6月17日(火)〜
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広告やマーケティングの枠を超え、より広い領域から顧客企業の成長をサポートしている株式会社電通。同社では、肩書や所属に関係なく一つのチームとして協力し合い、社会的にも大きなインパクトを生み出し続けています。今回は、交通系ICカードのキャラクターを活用したキャンペーンなど、鉄道関連のプロジェクトでタッグを組む、ビジネスプロデューサー(以下、BP)とアートディレクターのお2人にお話を伺いました。
「交通系ICカード×キャラクター」
の文化を生んだプロジェクト

第22ビジネスプロデュース局
ビジネスプロデューサー
/梅沢 真実
第4CRプランニング局
アートディレクター
/小島 洋介
──お二人が共同で携わっている「Suicaのペンギン」関連のプロジェクトについて、概要を教えてください。
小島:東日本旅客鉄道(以下、JR東日本)様のキャラクターとして親しまれている「Suicaのペンギン」は、もともとは「Suica」の正式キャラクターではありませんでした。2001年、交通系ICカード「Suica」が導入される際の案内冊子等に、絵本作家・イラストレーターのさかざきちはるさんの作品に登場するペンギンを起用したのが始まりです。今では全国各地の交通系ICカードにキャラクターが存在しますが、「Suicaのペンギン」はその原点といえます。
その後正式キャラクターとして定着し、2010年にはグッズ専門ショップ「Pensta(ペンスタ)」が東京駅にオープンしました。改装に伴い一度は閉店しましたが、復活を望む声に応え、2023年に上野で再オープンを果たし、その後は新宿、大宮、そして2025年4月には桜木町へと展開が広がっています。
そのなかで私はアートディレクターとして歴代の担当者の思いを受け継ぎつつ、「Suicaのペンギン」に関する広告全般を担当しています。
梅沢:私は2019年秋に電通にキャリア入社し、ビジネスプロデューサー(以下、BP)として上野店の再オープンのタイミングから小島と一緒にプロジェクトに関わっています。「Pensta」に限らず、「Suicaのペンギン」を活用した広告コミュニケーションやキャンペーン施策全般に携わっています。

──オープンしたばかりの桜木町の「Pensta」の案件では、どのような部分に注力されましたか。
小島:桜木町店に限らず、私たちは駅周辺の土地に根付いた文化や歴史に敬意を払い、それを取り入れることを大切な考え方としています。桜木町では、みなとみらいや中華街といった横浜らしいモチーフだけでなく、野毛山動物園のレッサーパンダなど「知る人ぞ知る」ような存在も盛り込みました。
実際、「レッサーパンダの◯◯ちゃんだ」と地元の方がSNSで反応してくれるなど、地元愛とリンクしたポジティブな展開につながっていると感じています。
梅沢:私はBPとして主にプロジェクトを推進していく役割を担いました。場所が決まった段階から、2025年4月のオープンに向けて、内装イラストの制作スケジュール管理や施工会社との調整まで、全体の進行を担当しました。桜木町は4店舗目だったこともあり、クライアントとの連携もスムーズで、出店を重ねるごとに楽しく仕事ができるようになっています。
また、BPの役割は進行管理にとどまりません。「Suicaのペンギン」は、さかざきさんのキャラクターを契約のもとでお借りしているため、使用にあたってはブランディングを損なわないか慎重なチェックも必要です。さらに、横浜の有名な建築物などをモチーフに使用する場合は、関係各所への権利確認や許諾の取得も行います。セールス職であるBPの守備範囲は広く、「絵を描くこと」以外はすべてをカバーする意識で、日々奔走しました。
一人ではたどり着けない場所がある。チーミングが生む大きな成果

──「Pensta」のプロジェクトを進めるなかで困難にぶつかったことはありましたか。
小島:私が企画し、さかざきさんに仕上げていただくイラストは、店内にどのように装飾するか提案はするものの、実際の施工は施工業者が行うため、完成するまでわからない部分も多くありました。最初は私も梅沢も手探り状態で、一つ一つ細かく確認しながら進めていましたね。
梅沢:通常の案件では、クライアントとBPだけで打ち合わせを重ね、クリエイティブ担当やその他の関係者が同席することはあまりないのですが、「Pensta」のプロジェクトではそのやり方では通用しない場面が多々あったのです。
スプリンクラーや配電盤の配置など、現場に行かないとわからない制約があり、現場の施工担当者の方にも会議に参加してもらい、入稿データを作成する小島にも現場に来てもらい、すべての関係者を巻き込んでプロジェクトを進行しました。まさにワンチームで協力し合ったので、ようやく一つの形になったときには大きな感動がありました。

──プロジェクトを通じて、「電通らしさ」が発揮できたシーンについてお聞かせください。
小島:このプロジェクトには多くの関係者が関わっていたので、イメージや思いを共有できるツール作り、ローカリゼーションの重要性についても丁寧に伝えながら進めました。そこへ、梅沢がさらに多くのメンバーを巻き込みながらプロジェクトを推進してくれたのは、電通が大切にする「チーミング」が最も発揮されたシーンだったと感じます。
梅沢:Suicaのことは入社当初からもちろん知っていましたが、「Suicaのペンギン」の歴史や歩みについてはほとんど知識がない状態でこのプロジェクトに加わりました。そんななか、過去の取り組みや背景を一つ一つ教えてくれたのが小島でした。
BPの先輩たちからは実務面を学びましたが、プロジェクトの深い歴史については、長年関わってきた人にしかわからないことも多く、それらを惜しみなく共有してもらえるのは、電通らしい文化だと感じます。所属や役割に関係なく、プロジェクトのメンバー全員が同じ意識を持ち、同じ方向を向いて進んでいく。そんなチーム作りがあったからこそ、「Pensta」の順調な展開が実現しているのだと思います。
日々新しい人と出会い、
刺激的な環境で成長を重ねる

──お二人の経歴についてご紹介ください。
梅沢:前職ではインターネット広告専業の代理店に勤務し、広告運用を担当していました。SNS広告などでターゲットを「刈り取る」ための専門知識は身につきましたが、マーケティングの全体像が見えにくく、自分の仕事がどうクライアントの役に立っているのか、自分の中での疑問が大きくなり、転職を考えるようになりました。
電通では、クライアントの課題をヒアリングし、その課題を解決するために、クリエイティブ、プロモーション、メディアなど、あらゆる手段の中から、最適なものを選んで提案できる点が大きな魅力だと感じましたし、全体を俯瞰しながらマーケティングに関わりたいと思い、転職を決めました。入社後はJR東日本様をメインクライアントに担当し、Suicaをはじめ、もともと好きだった鉄道に関わるさまざまなプロジェクトを担当しています。
小島:私は新卒で電通に入社し、以来一貫して広告系のアートディレクターとして働いています。入社当初からさまざまなセクションの商材に携わり、飲料メーカーの缶コーヒーや、自動車メーカーの車種リブランディング、省庁との仕事など、幅広い案件に取り組んできました。
──仕事を通じてやりがいを感じる瞬間はどんなときですか。
梅沢:「Pensta」のプロジェクトもそうですが、BPの仕事は毎回、経験したことのない業務が発生するのが日常です。最初はプレッシャーにも感じましたが、最近はむしろそうしたイレギュラーを楽しめるようになり、自分自身の成長を実感できる瞬間でもあります。
支えてくれるチームメンバーがいて、新しいものを世の中に送り出す方法を日々考えられるのは刺激的です。また、私自身もこだわりが強い一面がありますが、自分とは違う考えにたくさん出会えることもBPならではの醍醐味だと思います。日々新しい人と出会い、新しいことに挑戦できる環境にやりがいを感じています。
小島:クライアントと一緒にイメージを形にし、それが世の中に出て、広告に触れた生活者はもちろん、ファンやクライアントに喜んでもらえることが、私にとって大きなやりがいであり、純粋に楽しい瞬間です。
自信がないときも、成果が出ないときも、必ず助けてくれる人がいる

──今後チャレンジしたいテーマや、描きたいキャリアについてお聞かせください。
小島:入社から25年がたちましたが、これからも現役として大きなプロジェクトに携わりたいという気持ちは変わらず持っています。一方で、梅沢をはじめ、将来が楽しみな後輩たちに対して、アートディレクターとしての自分の経験や、クリエイティブの根幹にある「どんな時代にも大切にすべきこと」などを伝えていきたいとも考えています。 若手メンバーがどんどん吸収して成長していく姿を見るのは、自分のことのようにうれしいですし、後輩たちのチャレンジにはこれからも積極的に巻き込まれていきたいと思っています。
梅沢:電通に転職して約6年、大好きな業界・クライアントを担当してきましたが、いずれは別のクライアントのBPにも挑戦してみたいと思っています。「Pensta」で初めて経験した店舗開発のように、新たな経験を積み重ねることで、より幅広い視点を持った「無敵のBP」に近づける気がしています。いろいろな経験を経て、また今のクライアントに戻ることがあれば、さらに成長した姿で恩返しできたらうれしいですね。
──最後に、応募を検討する方に向けてメッセージをお願いします。
梅沢:私は理系出身だったこともあり、入社当初は「仕事にも必ず正解がある」と思い込んでいました。でも実際には唯一の正解なんてなく、自分で考えて進むしかないと気づいたとき、かなり悩みました。自信もなく、一歩を踏み出せずにいた私を、小島はよく知っていると思います。背中を押してくれる先輩たちがたくさんいるのが電通という会社なので、安心していただければうれしいです。
小島:仕事がうまくいかなくて、落ち込んでいた当時の梅沢の姿も覚えていますし、最初から自信のある人なんていないと思います。ただ、この会社には成功体験を少しずつ積み上げ、自信と成長に変えていける土壌がしっかりあるのは事実でしょう。
「これが好き」「こういうことをやってみたい」という思いを持っている方なら、きっと仲間と一緒に成長できるはずです。ぜひ当社で一緒にチャレンジしましょう。