
※本記事は、
2025年6月17日(火)に開催した
イベント実施時の取材に基づきます。
出演者の所属・肩書きは、
現在と異なる場合がございます。
案件急拡大で採用強化中
電通のデータトラスト
プロデューサーの仕事と魅力
電通は事業領域の拡張に伴い、従来のメディア・広告領域にとどまらない多様なバックグラウンドやスキルを持つ人材の採用を進めている。その中から、BX(ビジネストランスフォーメーション=事業全体の変革)、DX(デジタルトランスフォーメーション=マーケティング基盤の改革)領域の採用に特化したセミナーを、東京・汐留の本社とオンラインで6月中旬に開催した。
メディアバイイングや広告制作などを主領域としてきた広告会社のビジネスは急速に拡大しており、電通の人材採用も多様化、細分化が進んでいる。セミナーで紹介された5つの職種のうち、DX領域に属する「データトラストプロデューサー」のミッションと仕事、魅力について、データ・テクノロジーセンターの伊勢裕子部長が紹介した。
社内外の多くの関係者と
プロジェクトを推進する
電通のデータトラストプロデューサーは、データ&テクノロジーの領域においてクライアントや社内案件の対応をしながら、ガバナンスも視野に入れたビジネス開発の基盤構築に携わったり、PM(プロジェクトマネージャー)としての立ち位置でプロジェクトを牽引したりする。データについての知見とプロデューサーとしての役割の双方が求められる仕事だ。
ビッグデータに関する技術の進歩により、生活者の意識や行動を精緻に理解することが可能な時代となった。電通が扱うデータも飛躍的に増加し、こうした状況を受けてWebログデータを基盤にテレビ視聴ログなどの多種多様なデータベースを連携させた独自のDMP「People Driven DMP」を構築し、運用している。電通社内でこうした役割を担う組織がデータ・テクノロジーセンター(DTC)だ。
DTCは大量のデータに触れながら、クライアントや社内の営業(ビジネスプロデュース局のスタッフ)、グループ各社や各種プラットフォーマーのハブとなって、クライアントの課題を解決するソリューションを開発している。自身もキャリア採用で入社した、DTC データマネジメント部の伊勢裕子部長はその特徴について次の3点を挙げた。
・国内大手企業からベンチャー企業まで、幅広いクライアントやメガプラットフォーマーと連携しながら仕事ができる・大規模なデータ基盤の、多種多様なデータを活用しながら、自ら事業領域の拡大を企図できる・企画の立案だけではなく、実装まで責任を持って携わることができる
攻めのデータマネジメントへ、新戦力に期待
生成AIも含めたさまざまなテクノロジーの進化にもキャッチアップし、そうした状況で発生しうるリスクを把握・軽減しながらデータを活用することが求められている。
各案件に発生するリスクについて、ときには専門家としてクライアントとも直接コミュニケーションを取りながら、リスクの内容に応じてセキュリティや法務の専門家に相談し、案件が円滑に進行していくことをサポートする。

伊勢は、現在の状況を「守りを中心としたデータマネジメント」だと指摘し、「これからは守りだけではなく、守りながら攻めることにもチャレンジしたい。その業務にコミットできるデータトラストプロデューサーの人材を増やすことができれば攻守にバランスの良いデータマネジメントが実現できると考えている」と話した。
今回募集するデータトラストプロデューサーには、データ&テクノロジーの領域において案件(問い合わせ)への対応をしながらガバナンスも視野に入れたビジネス開発の基盤構築や、PMとしての立ち位置で案件を牽引し、業務を遂行することを求めている。そのため(1)プライバシーやAIに関わる法務業務、(2)データ・テクノロジーの開発・運用・活用業務、デジタル広告、(3)デジタルソリューションの開発・運用・活用業務のいずれかについて3年以上の実務経験をスキル要件に設定している。
また、専門領域外の分野に対するキャッチアップ能力や、課題や問題に対する洞察力と、その能力を生かして案件を実現すべき方向へ導くことができる力も重視する。

伊勢は「最初からそれができるわけではありませんし、私自身も最初からすべてできていたわけではありません。業務を通じてこうした能力を伸ばしていきたいという方とご一緒させていただければと思っています」と話す。
多様な人材が集まるDTCの職場環境
DTCの人材構成は入社1年目から5年目程度の若手社員、キャリア入職者、女性がそれぞれ2割となっているほか、出社やリモートワークを選択できる環境にある(2025年1月時点、DTC調べ)。様々な背景の人材にとって働きやすい環境にあるといえる。DTCでの仕事の魅力は、専門性を活かしながら電通が扱う多種多様な案件に関わりながら、世の中に働きかけている実感を得られることだ。
キャリア入社のスタッフが実際に働いて感じていることにも「同じ仕事の繰り返しがないので、成長できる」や「前職よりも良い刺激が多い」といったものが寄せられている。また研修体制の整備や業務指導を評価する声もある。伊勢は「現状、データトラストプロデューサーとして専任で活動している人はまだおらず、兼務のような形で対応しています。今後強化していきたい領域です」と述べた。
制作:宣伝会議 アドタイ編集部