33ARATA KUBOTA | ART

LIFE

33長く愛されるものをつくる

ARATA KUBOTA窪田 新
ARTアート2006年入社

Q.今、情熱を持って取り組んでいることはなんですか?

長く愛されるものづくり。私が社会人になった頃に比べて、広告やエンターテインメントのスピードは驚くほど速いです。SNSの普及もあり話題化を求められることも多々あります。それは打ち上げ花火のようで瞬間的には盛り上がりますが、翌日には別のコンテンツで記憶が塗り替えられてしまいます。インパクト重視の強い表現が求められて、以前より表現の幅が狭くなったことを危惧しています。私が大切にしていることは制作物が公開された後も育ち続けるデザインです。自分の手から離れてからも長く使い続けてもらえる設計を提案できているか。依頼主と対話をしながら取り組んでいます。制作物を通じて、誰かの役に立ったり、心の支えになるような仕事を1つでも多く生み出したいと思っています。

Q.過去のどのような経験が、今のあなたをつくっていますか?

HEARTLAND(キリンビール)を担当した際、ポスターを配布する全ての飲食店に向き合ったことです。通常の広告では効率を考え、汎用性のある1つのビジュアルを作ることが多いのですが、この仕事ではHEARTLANDを取り扱う飲食店に異なるデザインのポスターを届けることを企画の核にしました。100枚の異なるデザインのポスターを制作し、それらをつなげると1つのアニメーションになる企画。時間はかかりましたが1店ずつ向き合うことで、各店との関係も深まり、通常の広告よりも長く愛される仕事になったと思っています。この経験を経て、瞬間的な売り上げに貢献する広告だけではなく、家や家具のように大切に使い続けてもらえる仕事をしたいと考えるようになり、その後の仕事の指針となりました。
SLICE OF HEARTLAND

Q.仕事が旅だとして、あなたが見てみたい、「誰も見たことがない景色」は何ですか?

自分の見てみたい景色を決めていません。この仕事の醍醐味は興味がなかった商材を担当したり、違う視点を持った人と一緒にものづくりをしたりすることだと思っています。思い通りに進まないことも出てくるので苦しむこともありますが自分一人ではたどり着けない景色を無理にでも見ることができます。その経験が自分の視野を広げてくれるし、今後の制作の糧になります。どんな景色も受け入れられるように、行き先は決めない。スタイルを決めつけずに新しいことにチャレンジできるように心掛けています。

KIRIN / SLICE OF HEARTLAND

各店舗ごとに異なるポスターを制作

Q.どんな学生でしたか?

変わったモチーフの絵を描いて目立ちたい。という浅はかな学生でした。大学の恩師に「君はリンゴを描きなさい」と言われたことが心に残っています。リンゴという誰でも描いたことのある「ありきたり」なモチーフに独自の視点を見つけられてこそ、真に力のある表現者であることを学びました。

 

Q.電通に入ろうと思った理由

学生時代は、ぼんやりグラフィックデザインの仕事がしたい。としか考えていませんでした。やりたいことが明確になかったのです。多様なステージがある電通で一つ一つの仕事を通じて、やりたいことを見つけようと思って入社しました。

ソニー・ミュージックレーベルズ / JUJU「ユーミンをめぐる物語」新聞広告

LOEWE JAPAN / 50thロゴとプロモーションツール

Q.THE 8 WAYSの中で、好きな言葉を教えて下さい。

THE 8 WAYSとは?
WE TEAM WITHOUT LIMITS | 会議で反対されたら感謝する。それは、自分では思いつかなかった視点。チームで仕事をする意義。

自分のアイデアをかわいく思ってしまうので、なかなかできない勇気が必要なことです。反対意見の中には新しいことが生まれる可能性が眠っていることもあります。

Q.百色名刺から、その色を
選んだのはなぜですか?

COLOR
NUMBER
098

仕事で使ってみたいと思った色。実際に東京コピーライターズクラブの『コピー年鑑 2018』のデザインを担当した際に使用しました。(最終的にはデザインに合わせて少し色を調整しましたが。)

Q.入社前の自分と、どこが変わったと思いますか?

学生時代はグループワークが嫌いでした。自分だけの作品を作りたかったのだと思います。しかし自分の力なんてちっぽけであることに入社して気づきました。他の人のアイデアを取り入れることでデザインが良くなることもあります。アイデアの引き出しが増え、少しはデザインが上達したかもしれません。

 
 

Q.学生時代の
自分に言いたいこと。

悩んでいる暇があるなら手を動かせ。