マーケティング領域のプランナーでありながら、生成AIを活用したソリューション開発を推進するAIマスターとしても働いています。言い換えると、マーケティング課題を解決するための新しい仕組みや武器を発明し、それを自ら現場で実践している人間です。前例のない領域だからこそ、創造性が本当に試される仕事だと感じています。

特定の分野への興味というよりは、「画策」と「工作」がとにかく好きな学生でした。大学（正確には高専専攻科）まではモノへの関心が強く、ロボット教材の開発に取り組んでいました（教育工学：学士）。その後は、徐々にヒトへの関心が高まり、大学院では公共トイレのあり方（まちづくり：修士）や、人の行動を喚起する仕掛けの研究（仕掛学：MBA）に挑戦しました。代表作は「腕時計型ハト時計」です。

電通や広告のことは全く知らない学生でしたが、「アイデアの学校」という電通のインターンを偶然見つけ、「新しいゲームを考えよ」という謎の選考課題と「課題審査に通過したら誰か一人連れてきて良い」という謎のルールに引かれてしまい、参加せずにはいられませんでした。そして実際に参加して出会った電通人が面白すぎたことが、入社の決め手になりました。

手法の発明から始まるマーケティング。

AIの発展で、人間中心に積み上げてきた従来のマーケティングの前提が覆されています。これまで不可能と思われた膨大な情報や複雑な処理を生かせるようになり、従来のやり方は通用しなくなりました。精度や効率を競う時代から、進化や発明を競う時代へ。そんな転換期のど真ん中で開発の仕事に携われることに、大きなやりがいを感じています。

逆に、考え方もやっていることも根本的には変わっていません。偏愛や葛藤など、自分が元から持っていたエネルギーを素直に駆使することが楽しく仕事をする鍵になるし、自分が引かれた電通人の方々もきっと同じだったのではないかと思っています。

まだ世の中にないもので世の中があふれるために、また常に自分自身が未知と向き合い続けるために、仕事として日々向き合っているマーケティングという営みそのものの進化に寄与したいです。